前夜祭

ようやくこの日を迎えることになります。
思えば、長かったようで短かった一年間でした。
真剣にこの大会だけを見つめ練習することを決意した一年前。
来年のこの大会で、必ず良い成績を残す。
入学当時は「全国大会出場」を目標と掲げ、
昨年度には「近畿大会出場」を目標、「全国大会出場」を夢と掲げた。
そして今年度あたまには「大阪府大会決勝出場」を目標と掲げ、「近畿大会出場」を夢と掲げた。
徐々にレベルは低くなってきている。
でもその志を掲げたときは、それが本当に実現するものだと信じていたからこそ公言していたのだ。
入学当時、あの調子でタイムが伸び続けていれば決して全国大会も夢で終わることはなかったハズだ。
しかし人生というものは真っ直ぐな一本道であるはずもなく、曲がりくねり、いくつもの分かれ道が存在する。
どこで道を間違えたのか。
いや、間違えたのかさえも定かである。
その答えが明日、分かるような気がする。
明確に分かることはないだろう。
でも、分かりうるあずである。

明日は「100?平泳ぎ(1BR)」と「400?メドレーリレー(4M)」に出場する。
個人の成績が問われる日。
明日は個人競技のみに集中する。
自己ベストから二秒以上も上を出さなければ決勝ラインには届かない。
練習でもいまいちトップスピードが作れていない。
でも、でも、どこかいけるような気がしてならない。
4秒台前半でつっこみ、7秒台後半、もしくは8秒台前半で折り返す。
それで12秒台。
普通に考えれば難しいタイム。
でも何故かいけるような気がする。
いや、そう思いこまなければ不安でならない。
頭の中はその思いだけ。
ちっぽけな目標でもええ。
なんと言われてもええ。
でも、納得いく結果だけは出て欲しい。
いや、出したる。
腰痛なんて関係ない。
気持ちでは絶対負けへんからな。

スタートコールが耳の奥で鳴り響く。