夢の舞台

2005年8月7日
帰宅後、シャワーを頭からかぶった瞬間のこと。
プールの、塩素の匂いがした。
一瞬やった、けどそれはあまりにも強烈にぼくの鼻孔を刺激した。
――泳いできたんやな。
二日間の記憶が鮮明に蘇った。
 
『第54回近畿中学校総合体育大会 水泳競技選手権』
 緊張
 プレッシャー
 危機感
 重圧
どの言葉も当てはまらなかった。
逆に府大会はこれらの言葉がすべてのしかかってきていた。
でも今大会はそんなことがなかった。
ひとつ。
 名誉
有り難かった。
レース前、「気楽にな。楽しく泳いでおいで」そうコーチに告げられた。
その言葉を素直に受け入れ実行できた。
レースコール直前、応援のみんなからの声が聞こえた。
市大会なら余裕を持って応えるだろう。
府大会ならそんな言葉が耳に届く余裕さえないだろう。
でも今日は聞こえた。
そして笑った。
全身からやる気が漲った。
今まで習って来たことをすべて発揮できるように一つひとつに集中しながら泳いだ。
そしてラスト25?。
先生からの言葉。
「腕でも足でもええ。残ってる方で最後までいけ!」
実行した。
ピッチをあげ、腕をたてて水をかいた。
思いっきり体を伸ばして線になった。
徐々に左前方に見えていた影との距離が縮まった。
いける、いけるかもしれん。
最後の最後までいった。
惜しかったと思う。
タッチの差やった。
それで三番。もちろん組の中やけど。
タイムは 1’14"8 35"3 39"8。
ベストではなかった。
悔しかった。
でも嬉しかったこともある。
それが最後に気合いで競り合えたこと。
悔しいけど、収穫あり。
これがオレの近畿大会やった。
後の組のレースを見ていれば、やはり泳ぎから違った。
バテというものはあるけど、泳ぎが崩れてなかった。
最後までキレイやった。
それが強さの秘訣。
そしてそれを培った秘訣が尋常じゃない練習。
さすが、近畿、全国。
あっぱれ。

 
最後に。
遠いところまで応援に来てくれて、ありがとうございました。
たった一分ちょっとの1レースのために。
悪いな、て思ったけど、控え場所に先生と二人で座っている他のチームの子を見ていると、あぁ、ヤッパリみんながいる方がいいな、て思えた。
感謝です。
そして先生。
宿泊施設の手配から引率、其の他諸々に至るまでして頂き、ありがとうございました。
ぼくのわがままで余計な手間をかけてしまいました。
本当に感謝します。

 
これでぼくのひとつの物語が終わりました。
そして二日後もうひとつの物語が始まります。
次は水泳部で試合です。
みんなで試合にいって、みんなで応援して、みんなで泳いで、みんなで楽しんで、みんなで勝利を分かち合う。
今、ぼくの頭の中で最高の方程式が成り立ちました。
五日後、解はでてるでしょう。

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