ISBN:4062630869 文庫 村上 春樹 講談社 1995/10 ¥540
 
 

引き続きブックレビュー

読み返すのはこれで二度目か三度目になると思うけど、回を重ねる毎に惹き込まれていき、美しいと感じてしまう。
この限りなく文語的で技巧的な会話を、回りくどいと感じるのではなく美しいと感じられるのは、やはり文語であり口語でないからだろう。
主人公の一人称で語られるこの物語に惹き込まれるのは、単に主観的に進められるからだけでなく、著者からみた客観的な視点が入ることにより実に奇妙に奥行きのある思考を交えているからだ。
この物語を通して伝えたいことをみつけることは未だにできずにいるが、しかしながらところどころ随所に散りばめられたメッセージや哲学に触れることはできたのではないかと思う。
どこまでも限りなく美しい文学を描く、村上春樹氏が、近代文学における著名人と肩を並べる程の才を持ち合わせていることは、もはや疑いようがない。

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